たそがれ
近所の市民グラウンドの片隅に、サッカー用のゴールネットがある。
サッカー用なので、2つペアで欲しいものだが片方しかない。そのネットを使う人は誰1人いない。
だから、雑草生い茂る中で切れかかったネットが風で揺らいでいるぐらいひっそりと
しているのだが、
毎週金曜日に必ずその前に佇んでいる人がいる。独りで。
半袖半ズボン、手袋をし、まさにゴールキーパーといった装いで前屈みに重心を整えているのだ。
独りで。
僕はついにきになって訊ねた。
「なにを守っているんですか」
とは訊けなかった。
そう訊くと直接的すぎるからだ。
もしかしたらツッコミを待っているかもしれない。
そうだとしたらまんまと乗せられた体になる。
話題はふつうでいいと思った。
「あの、すみません、この辺り初めてで・・・道に迷ってしまいました。
○○駅はどのあたりでしょうか?」
と訊いたら、
「そこのつきあたりを右に折れて、そのまま・・・まっすぐいけば大丈夫ですよ」
と、その人は左手にボールを持ってまるでゴールキックをするときの、
指示を送るかのような手つきで
右手をビシっと東の方に指したのだった。
サッカー用なので、2つペアで欲しいものだが片方しかない。そのネットを使う人は誰1人いない。
だから、雑草生い茂る中で切れかかったネットが風で揺らいでいるぐらいひっそりと
しているのだが、
毎週金曜日に必ずその前に佇んでいる人がいる。独りで。
半袖半ズボン、手袋をし、まさにゴールキーパーといった装いで前屈みに重心を整えているのだ。
独りで。
僕はついにきになって訊ねた。
「なにを守っているんですか」
とは訊けなかった。
そう訊くと直接的すぎるからだ。
もしかしたらツッコミを待っているかもしれない。
そうだとしたらまんまと乗せられた体になる。
話題はふつうでいいと思った。
「あの、すみません、この辺り初めてで・・・道に迷ってしまいました。
○○駅はどのあたりでしょうか?」
と訊いたら、
「そこのつきあたりを右に折れて、そのまま・・・まっすぐいけば大丈夫ですよ」
と、その人は左手にボールを持ってまるでゴールキックをするときの、
指示を送るかのような手つきで
右手をビシっと東の方に指したのだった。
